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5:後遺障害の逸失利益

①事故前の収入【年収】×②労働能力喪失率×③ライプニッツ係数 = 逸失利益

ライプニッツ係数とは

たとえば,100万円を5年先にもらう事になっていた場合にそれを5年前倒しにもらう場合では目の前の100万円と3年後の100万円では価値が異なるという考え方に立ちます。

 

その上で,今100万円前倒しでもらうと3年後には,利息が発生しており,本来もらえるはずだった金額をオーバーします。

 

 

そこで,3年後に100万円を受け取る事になるように,現在もらう金額を算定する時に使う係数をライプニッツ係数と言います。現在は民法の法定金利が5%と言う事もあり,年5%で複利で運用するとして係数が決められています。
 

①事故前の収入【年収】

まず,①の事故前の収入とは次のように,ひとそれぞれに異なる基準があります。

 


給与所得者

事故前の現実の収入額(本給、諸手当、賞与、昇給、退職金)
 

 

事業所得者

原則として,事故前年の確定申告額を基準とします。ただし,確定申告の無申告や過少申告の場合は,現実の収入が確定申告額を上回る事を証明できれば,上回る金額を基礎年収とすることができます。

 

 

農業

帳簿がないことが多いので、作付面積・農産物から売り上げを算出し、そこから資本利息や地代や種苗費などの原価を差し引き、さらに、家族労働費を加えて年収を計算します。

 

家事従事者

(1)専業主婦

原則として,賃金センサスの女子労働者の全年齢平均賃金

 

(2)兼業主婦

家事労働のほかに,現金収入を得ている場合は,平均賃金と現金収入を比較し,より多い方の金額を基準とします。

 

 

幼児、学生など

賃金センサスの男女別・全年齢平均賃金を用います。幼児は全学歴平均を用いますが,高校生は高卒者の額を用います。ただし、大学進学の蓋然性が高い場合は大卒の額を適用します。

 

大学生の場合は専攻により就職する業種を想定した上で、その業種の大卒賃金を用います。

 

 

芸能人

公演などの契約に基づき収入を算出します。

 

 

スポーツ選手

過去3年間の平均収入、もしくは、同程度の選手から類推して算出します。活躍できる年齢を過ぎる期間については賃金センサスの平均収入を用います。

 

 

無職者

男女別平均賃金(年齢別または全年齢)を用います。ただし、労働意欲があり,会社の倒産などにより失業中のものは失業前の収入実績,賃金センサスの平均賃金を基礎年収とします。

 

また、労働の意思がない利子生活者や失業者には原則として逸失利益は認められません。

 

 

高齢者(年金生活者)

推定余命期間に受け取る予定だった恩給、年金、遺族扶助料。原則として,事故当時現役で稼働していた場合は,逸失利益が認められる。

 

事故後,就労する可能性が乏しい場合は,逸失利益が認められない事もあります。

 

 

②労働能力喪失率

後遺障害等級によって目安が決定されます。

 

1級~3級 100%
4級 92%


                  別表第一 (第二条関係)

等級 介護を要する後遺障害 保険金額 労働能力喪失率
第1級

1.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

2.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

4000万円 100/100
第2級

1.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

2.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

3000万円 100/100

 

                  別表第二 (第二条関係)  

 

等級 後遺障害 保険金額 労働能力喪失率
第1級 1.両眼が失明したもの
2.咀嚼及び言語の機能を廃したもの
3.両上肢をひじ関節以上で失つたもの
4.両上肢の用を全廃したもの
5.両下肢をひざ関節以上で失つたもの
6.両下肢の用を全廃したもの
3000万円 100/100
第2級 1.一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になつたもの
2.両眼の視力が0.02以下になつたもの
3.両上肢を腕関節以上で失つたもの
4.両下肢を足関節以上で失つたもの
2590万円 100/100
第3級 1.一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になつたもの
2.咀嚼又は言語の機能を廃したもの
3.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
4.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5.両手の手指の全部を失つたもの
2219万円 100/100
第4級 1.両眼の視力が0.06以下になつたもの
2.咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
3.両耳の聴力を全く失つたもの
4.一上肢をひじ関節以上で失つたもの
5.一下肢をひざ関節以上で失つたもの
6.両手の手指の全部の用を廃したもの
7.両足をリスフラン関節以上で失つたもの
1889万円 92/100
第5級 1.一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になつたもの
2.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
3.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
4.一上肢を手関節以上で失つたもの
5.一下肢を足関節以上で失つたもの
6.一上肢の用を全廃したもの
7.一下肢の用を全廃したもの
8.両足の足指の全部を失つたもの
1574万円 79/100
第6級 1.両眼の視力が0.1以下になつたもの
2.咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
3.両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
4.一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
5.脊柱に著しい奇形又は運動障害を残すもの
6.一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
7.一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
8.一手の五の手指又はおや指及びひとさし指を含み四の手指を失つたもの
1296万円 67/100
第7級 1.一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になつたもの
2.両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
3.一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
4.神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5.胸腹部臓器の機能に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6.一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの
7.一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの 
8.一足をリスフラン関節以上で失つたもの
9.一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10.一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11.両足の足指の全部の用を廃したもの
12.外貌に著しい醜状を残すもの
13.両側の睾丸を失つたもの
1051万円 56/100
第8級 1.一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になつたもの
2.脊柱に運動障害を残すもの
3.一手のおや指を含み二の手指を失つたもの
4.一手のおや指及びひとさし指又はおや指若しくはひとさし指を含む三以上の手指の用を廃したもの
5.一下肢を5センチメートル以上短縮したもの
6.一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
7.一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8.一上肢に偽関節を残すもの
9.一下肢に偽関節を残すもの
10.一足の足指の全部を失つたもの
819万円 45/100
第9級 1.両眼の視力が0.6以下になつたもの
2.一眼の視力が0.06以下になつたもの
3.両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4.両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
5.両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
6.咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
7.両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
8.一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
9.一耳の聴力を全く失つたもの
10.神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
11.胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当に制限されるもの
12.一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
13.一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
14.一足の第一の足指を含み2以上の足指を失ったもの
15.一足の足指の全部の用を廃したもの
16.外貌に相当程度の醜状を残すもの
17.生殖器に著しい障害を残すもの
616万円 35/100
第10級 1.一眼の視力が0.1以下になつたもの
2.正面を見た場合に複視の症状を残すもの
3.咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
4.十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5.両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたものの
6.一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
7.一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
8.一下肢を3センチメートル以上短縮したもの
9.一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
10.一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
11.一下肢の三大関節の一関節の機能に著しい障害を残すもの
461万円 27/100
第11級 1.両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2.両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3.一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
4.十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5.両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
6.一耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程
7.脊柱に奇形を残すもの
8.一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
9.一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
10.胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
331万円 20/100
第12級 1.一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2.一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3.七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
4.一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5.鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい奇形を残すもの
6.一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
7.一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
8.長管骨に奇形を残すもの
9.一手のこ指を失つたもの 
10.一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
11.一足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み二の足指を失ったもの又は第三の足指以下の三の足指を失ったもの
12.一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
13.局部に頑固な神経症状を残すもの
14.外貌に醜状を残すもの
224万円 14/100
第13級 1.一眼の視力が0.6以下になつたもの
2.正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
3.1眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの
4.両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
5.五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
6.一手のこ指を廃したもの
7.一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
8.一下肢を1センチメートル以上短縮したもの
9.一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
10.一足の第二の足指以下の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の3の足指の用を廃したもの
11.胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
139万円 9/100
第14級 1.一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
2.三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3.一耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたものの
4.上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5.下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6.一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
7.一手のおや指以外の手指の遠位指h関節を屈伸することができなくなつたもの
8.一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
9.局部に神経症状を残すもの
75万円 5/100


ただし、上記の値を参考として、裁判所では各自の職業や年齢を考慮して決定します。

③就労可能年数

原則として、67歳までを就労可能年数とします。およそ55歳以上の高齢者(主婦を含む)については67歳までの年数と平均余命の2分の1のいずれか長期のほうを使用します。
 
※死亡逸失利益の計算の際には年収から生活費を控除したが、後遺障害逸失利益の計算では、事故後も生活が続いているため控除は行いません。
 
※後遺障害があっても減収がない場合は、逸失利益が認められない場合もあります。(ただし、慰謝料が増額されることはあります)

 

まずはお電話ください。

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※お電話でのご相談は実施しておりません。ご予約のみとさせて頂いております。

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